「強姦」と「強制わいせつ」を合わせた性暴力件数は、以下のとおりです。
出典:平成22年度「犯罪白書」
2009年度の強姦件数は1,402件、強制わいせつ件数は6,688件となっています。
ただ、これはあくまで警察に届け出た件数です。
性暴力被害に遭い、被害を届け出る女性は、わずか13.3%というデータがあります(法務総合研究所「第3回犯罪被害実態(暗数)調査」より)。
これに当てはめると、強かんは10,541件、強制わいせつ(女性)は50,286件、合わせれば60,827件という大変な数となります。
これは殺人(2009年1,094件)や傷害(29,638件)をはるかに上回る数です。
1日あたりに換算すると、強姦29件、強制わいせつ138件、合わせれば167件です。
また日本性科学情報センタ-がまとめた「子どもと家族の心と健康」調査報告書によると、小学6年生までに、6.4人に1人の女性、そして17.4人に1人の男性が、性虐待に遭っている、という結果が出ています。
今、この瞬間にも、性暴力は起こっているのです。
そして男性も性暴力に遭います。
「性暴力は一部の人にしか起こらない」「自分には関係のない問題」ではなく、すべての人が被害者に、そして加害者になる可能性がある問題なのです。
配偶者等からの暴力件数は、以下の通りです。
出展:平成22年3月18日「ストーカー事案及び配偶者からの暴力事案の対応状況について」
2009年に全国の警察が認知した配偶者などからの暴力(DV)は、前年比11.7%増の2万8158件で、統計を取り始めた2001年以降、最多となりました。6年連続の増加です。なお、被害者と加害者の関係は夫婦が72.3%、離婚後は12.8%、内縁関係が12.7%でした。性暴力は、「夫婦」という顔見知りの間でも起こっており、その件数は年々増加していることが分かります。
一方で「子どもに対する考えと実際の出産状況」からも、夫婦間の性暴力が垣間見られます。
出展:平成22年3月17日「第7回21世紀成年者縦断調査(国民の生活に関する継続調査)」
調査では、夫と妻の「子どもが欲しい」という考えと、子どもを授かる割合について、明らかにしています。 6年前に、夫、妻とも「子どもが欲しい」と考えていた夫婦のうち、実際に子どもが生まれた夫婦は68.3%でした。一方で、妻が「欲しくない」と思っていても、夫が「欲しい」と24.1%で、夫が「欲しくない」と思っていても、妻が「欲しい」と11.6%で、子どもが生まれていました。つまり、「子どもが欲しくない」と思っていても、子どもが生まれた夫婦がいることになります。そこには望まない性行為、性暴力が存在しています。
また、人工妊娠中絶件数からも、望まない性行為が行われていることが分かります。
2009年の出生、死産、中絶の件数は、以下の通りです。
出典:
出生数・死産数『人口動態統計の年推計』
中絶数『衛生行政報告例』
※『人口動態統計』は年集計、『衛生行政報告例』は年度集計です
2009年に命を授かったのは1,323,918人。
そのうちこの世に生まれてきたのは、80.8%。
中絶により生まれてこなかったのは、17.1%でした。
中絶の理由は様々ですが、その背景には性暴力があります。
望まない性行為、そして避妊に協力しないのは、性暴力です。
中絶をなくすためには、性暴力をなくす取り組みが不可欠です。

出典:平成18年度犯罪白書 p.237 より

出典:平成18年度犯罪白書 p.238 より
強姦は半数以上が住宅内で起こっています。そして約20%の被害者が、加害者と「面識あり」と回答しています。さらには「親族」という回答もあります。本来安心して過ごす場であるはず自宅で、知っている人から暴力を振るわれたら、これまでと変わらない場所で、身近な人との信頼関係の中で暮らし続けることは、とても難しくなってしまいます。
一方強制わいせつは屋外(道路上、駐車場、空き地、都市公園等)での発生が多くなっています。そして約90%の被害者が、加害者と「面識なし」と回答しています。わいせつ被害にあった後、これまで通っていた道を歩けなくなったり、外出ができなくなったりするのは、「いつ、どこで、同様の被害に遭うか分からない」という恐怖が沸き起こるからです。
このように性暴力は、暴力に遭った時だけでなく、その後の生活にも、とても深刻な影響を及ぼすことが分かります。















